今回の舞台は2002年の「CRIME UNLIMITED」といる芝居(at 麻布ディー・プラッツ)の再演です。
再演にあたって、タイトルを変えてしまいました。キャスト、スタッフ、劇場が変わるので、全く別の作品に生まれ変わる気がしたのです。
[ 中略 ]
五年前の自分には負けられません。今回もヤクザな組織への潜入を実行です。
何事も経験なのですから。
早速パンチパーマをかけた私は、
適当にチョイスしたヤクザな組織に電話をかけました。
対応に出た丁寧な口調の女性にアポをとり、
履歴書片手に、勇躍その事務所を訪ねたのです。
事務所の中は、照明も明るく、掃除が行き届いていました。そこに組長が現れました。
日に焼けた肌、後方に撫で付けられた豊かな黒髪、センスの良い背広を着込んだ組長を前にして、私は唾をとばして言いました。
「どんな危ない仕事でもやる覚悟があります!」
面接はやる気とハッタリがモノを言いますからね。
組長は白い歯を見せて言いました。
「そういう仕事は、今、流行ってないんだよねぇ。それより君、ゴルフ出来ない?」
やったことのない私に組長は続けました。
「なんか資格は?簿記は最低でも2級、宅建でもいいけど。」
なんの資格もない私に組長は続けました。
「あとさ・・・そういう髪型もやめてくれる?今、流行ってないんだよねぇ。」
数日後、不採用の電話が・・・。
私はいまだにどこのヤクザな組織にも雇われていません。
どなたか昔かたぎで、人情味のある、ちょっと危ない仕事もやらせるヤクザな組織を紹介してくれませんかね。
公演の日は近い。